葬儀単価・葬儀施行数減少を睨んだ生き残り戦略
葬儀施行したご遺族は一生のお客様
営業の仕組みを変革する決断。
車業界でも葬儀業界でも、車を購入する前後、葬儀を行った前後のみ関係を持つ営業が多いのが現状です。
私は幾度か高級車を扱う自動車販売会社に研修講師で出向いたことがあり、
都度高級車を購入する方こそが再購入見込み顧客であると伝えてきました。
また、高級車を購入した方がご紹介下さる方は購入可能性が最も高いとも伝えてきました。
しかし、車両購入後自然体で顧客に電話したり、近くまで行った際に寄ったりする営業活動を継続する営業マンはほとんどいません。
その原因は彼らの営業目的が顧客管理や顧客満足向上でなく車の販売行動そのものになっているからです。
そして消費者が車を購入する前後を購入行動上ホットシーンとすれば、
ホットシーンが終了した後は放置状態となり、顧客リレーションはほぼ無いに等しい状態になります。
しかし、できる営業マンは常日頃からお客様とリレーションを取っていることで、
そのホットシーンを自ら創り出し競合を意識することなく実績を挙げることができると考えられます。
葬儀営業でいえば、葬儀後のフォローを充実させることで、安定したリレーションを築くことができ、
お客様が葬儀や法要を考える時に競合と同一線上に扱われること無く指名で御申し込みを頂ける可能性が増えるのです。
葬儀業界は会員制度や葬儀事前相談会などで集客を促進していますが、
営業活動そのものを葬儀後も継続・深耕することで、まだまだ顧客に近づくことが可能なのです。
重要なことは、従来の受け身的な葬儀営業スタイルを変革するという強い経営者の決断と、具体的な行動戦略の構築こそが、
他社との差別化になり顧客満足を勝ち得ることになるのです。但し、営業目的、営業スタイルの多様化が不可欠となります。
参考資料 公正取引委員会 「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」2005年7月